何も変わらない日が続いている。
ただ波間から皐月を見つめているだけ。
今の僕にはそれが精一杯だった。
でも神様はやさしく見守っていてくれた。
実は最近高校へはいっていない。
もとから勉強が好きではないし、サーフィンする時間がほしくて
家を飛び出してお店の2階に居候させてもらっている。
上杉さんが口を聞いてくれて稲村ヶ崎にあるレストランで働いている。
茶髪の少年をホールに立たせてもらえるほど世間は甘くない雑用兼皿洗いだ。
店長が一人の女の子を連れてきた。
一瞬目を疑ったが、長い手足にポニーテールそれは皐月だった。
ワイメアからたたきつけられたような衝撃だった。
でも心配事がここには鵠沼の帝王の健くんにイケメンの悟くんがいる。
お店の名前は「ビーナス」彼女は僕のビーナスだった。
「友美、お前最近鵠沼こないなぁ」
「健くんだって最近ご無沙汰じゃないですか」
今日のサイズはセットでモモショートでは物足りない波だった。
いつもならワンサイズ上の波がある鵠沼に遠征するのだが、
皐月目当てに集まってくる。まったくサーファーってやつは…
皐月の素性がわかってきた。
どうやらプロのダンサーを目指しているらしい。
あの人を寄せ付けないオーラもこれが原因みたいだ。
歳は19歳3つ年上のお姉さま的存在。
お店でも弟としか思われていないみたいで、いつも子犬のようにあしらわれている。
サーフィンもへたで勉強も出来ないのだから勝ち目はない。

今日は毎年恒例の「湘南カップ」湘南中のサーファーが集う大会だ。
「今日優勝したやつが告白する事に決めよう!」
突然健くんが切り出した。
「悟、友美わかったな」
健くんと悟くんはスペシャルクラスに、僕はオープンクラスに出場する。
二人とも優勝候補に上げられている。
3人の熱い思いを胸にホーンがなった。
結果は健くんが逆転優勝最後まで悟くんがリードしていたが
終了30秒前この日一番のセットに、ボトムターンから
オフザリップ最後はチューブライドまで
僕はといえば準決勝で敗退。まだまだ修行が足りない。
皆は祝賀会で江ノ島のディスコに繰り出した。
僕はテントのかたずけも終わり、七里の階段に座り込んで海を眺めていた。
そこに皐月が現れた。思わず下を向いてしまった。
「残念賞あげる」といいながら顔をちかづけてきた。
はじめてのキスだった。
「私アメリカに行くの!」
そんな言葉を残して去っていった。
↓今年も頑張ります!こちらもお願いします♪ポチ♪


人気blogランキングへhttp://tokiwa-tosou.com/常盤
塗装ではサーファーの皆様のお宅を守ります。
提案「サーファーのためのサーファーによる
リフォーム」
スポンサーサイト
- ▲
- 2008-01-11
- 外伝「ビーナスは枯れない」
- トラックバック : -
コメントの投稿